非常時にJRはせめて山手線だけでも動かすべき
-大都市パニックに対する鉄道事業者の社会的責任-
-非常時にこそ必要なリーダーシップー
今回の地震当日(3月10日)のJR東日本の対応は、
地震よりひどいものであった。
地震発生後、他の鉄道会社に先んじて
JR東日本が早々に「本日休業」を決めた。
確か、10日の午後7時か8時ごろに発表したと記憶する。
安全運行を考えることは重要ではあるが、
大都会の人の輸送に対する社会的責任も同時に
認識する必要がある。
ほとんどすべての私鉄や地下鉄が、
地震後路線や設備の点検をしたあと、
運転再開したにもかかわらず、
JR東日本はその一部さえ運行を再開しなかった。
◆
大都市は、そのインフラの一部の機能を失うだけで、
時に全体機能を失ってしまう。
多くの人が歩道や車道を埋め尽くして
オフィスから自宅に徒歩で帰り、
帰れぬ大勢は寒い地下通路や駅周辺の
ビルのロビーで夜明かしをするということになった。
JR東日本は、なぜ山手線だけでも再開しようと
しなかったのか。都市のインフラ機能を担う
他の鉄道は、それなりに貢献していた。
大都会に取り残された人たちのために、
人員輸送という使命を全うした。
ほとんどが朝まで運行していた。大変立派である。
他の鉄道会社は、儲けるために早期運転
復旧したのでない。採算性の低い終日運行を
したことからも明らかである。やはり、鉄道事業者として
社会的義務を果たしたかったのであろう。
◆
私は、地下道で夜を過ごしている大勢の男女を
横目に見ながら、午前3時ごろに地下鉄半蔵門線と
田園都市線の大手町から駒沢大学まで利用して帰宅した。
途中の渋谷駅に着くまで8割ほど座席が埋まったが、
立っている人はいないぐらいの混みぐあいであった。
繰り返しだが、JR東日本は、メトロポリタン東京の
大動脈たる山手線だけでもなぜ動かさなかったのか。
路線検査で重大な欠陥があったのであれば、
そう発表すればよい。
他の私鉄や地下鉄に復旧後の終夜運行ができ、
JRにできない理由は何なのか。
山手線を動かすことでどれだけの人の移動に
貢献できたか。安全性を優先するという名目を
掲げたのかも知れないが、社会的責任を考えないで
早々と本日休業を決め込んだJR東日本の考え方に
多いに不満である。
◆
当日、私は丸の内のある会社で缶詰になったので、
結果、仲間10人近くと会議室でテレビ報道を
午後3時ごろから翌早朝3時ごろまで
事細かに見ることになった。
「今日は運転を行わない」との早々の発表に対して
「エエッ?」という仲間の声が上がったが、
「いや、今日は運休と言ったのであり、
夜中12時を過ぎて明日になれば、
なんらかの対策を打ち出すのかもしれない」
という希望を持った意見もあった。
しかし、それは現実にはならなかった。
それどころか、翌日になっても、再開はずいぶん遅かった。
◆
企業は、多くの場合、不確定要素やジレンマを含めた中で
意思決定を行うのが常である。また、自分の保身のみが
大切という意思決定ではいけない。
平時のリーダーはだれでもできる。
非常時こそ本当のリーダーの出番である。
冷静沈着でいなければいけないが、
同時に事の重要性や社会的意義も考え、
大胆な意思決定を下す必要がある。
私は、国鉄からJRに変わって、従業員のサービスが
驚くほどよくなったと評価していたが、
今回の情けない意思決定を見て大変落胆した。
重要事項の意思決定など本質は国鉄時代と
何も変わっていないのだろうか。
◆
会議室にいた仲間の一人がこういった。
「あれば、一番新参者の私鉄ですから」と。
なるほど首都圏で一番新しい私鉄である。
しかし、元々国家の事業であり、また最要地区の路線を
保有する事業者である以上、他の私鉄をリードする
企業であって欲しいものだ。
もし、国鉄時代からの「親方日の丸」意識が継続している
のであれば、なんとも情けないことである。
古雀
5月12日
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2月14日
昨日は、自分が認められたいと思いすぎることはよくないと申し上げた。
ところが、会社とはよくできているもので、見ている人は見ているのだ。
相手は自分に言わないが、よく知っている場合もたくさんある。
また、直属の上司はある時点では知らなくても、斜め上の(他の部署の)
上司であるとか、部下であるとか、取引先であるとか、いろんなところから
話を聞くものだ。
人は自分が思う以上に自分のよいところや悪いところを知っている。
自分の努力が理解されない、自分が報われないと必要以上に
思うことはないのだ。そう思っておけばよいときがたくさんある。
自分の部下が落ち込んでいるときには、部下が話しやすい雰囲気を
作ってやって、話を聞いてあげよう。
時間を十分とって、しっかり向かい合うことだ。
80聞いて、20しゃべるつもりで、よく話を聞いて、
それから評価をしているところも改善余地があるところも伝えよう。
そして、必要なときには、「見ている人は見ている」と伝えよう。
私自身も若い頃、「見ている人は見ている」という言葉に何度か助けられた
ことがある。そういわれるだけで、余計なことを考えなくてすむからだ。
昨日の元気言葉「人の己をしらざるを患(うれ)えず、人を知らざるを患う」と
「見ている人は見ている」両方を頭に入れておけば、余計なことが一つ減る。
大器なリーダーになる
前に触れた坂本龍馬のことをもう一度思い出しましょう。
龍馬は、犬猿の仲であった薩摩と長州を組ませるという「薩長同盟」を実現させ、倒幕を加速し、大政奉還(徳川幕府がやっていた政治を朝廷に返上する)にこぎつけた。
龍馬は、大きな流れを感じており、貿易を行い、軍隊をふくめた国力をつけることが大切であると思っていた。
250年近く平和な世の中が続き、当時武士は戦から遠ざかっていた。西洋列強が開国を迫り、尊皇攘夷思想(朝廷を敬い、外国を撃つ)であるとか、討幕派と佐幕派の争いが、国中を揺り動かしていた。自分たちの思想を実現しようと、武士の一部は暗殺や焼き討ちなど血気に逸(はや)る。
かかる短期的な動きに龍馬は興味を示さず、もっと大切で大きな事を成そうとする。
龍馬は、小さな志を持つのではなく、大きな志を持てと、我々に教えてくれています。
大きな志を持って、万一途中で死んでしまったら、それは仕方がないと思え、と。
明日できそうなことだけを目標にしているリーダーと長期的に物事を考えることができるリーダーの違いです。
自分のことだけを考えているリーダーには、人はついてこない。そんなことは、誰の目にも明らかなのです。
自分が部下に抜かれたらどうする?
部下教育が重要であると会社で叫ばれ、それに共感する人はたくさんいます。でも、自分が部下を教育して、自分が部下に抜かれてしまったら、どうなのでしょう。
私は、多くの会社のかたに講演や研修を通じて、この問いを投げかけることがあります。たいていの場合、返事がありません。みなさんはいかがですか?
これに対する全部の答えは別の機会に譲るとして、一部だけご紹介します。
自分が部下に抜かれてもよいではありませんか。できる部下であれば、いずれは、自分を超えていくし、逆に自分を超える部下を大勢育てることに満足感を持てばよいだけです。
それほど、部下のことを思ってやればいいだけのことです。そういう風に部下に接していると、将来かけがえのない友人となれます。自分が退職しても付き合っていける友となれます。
確かに、自分の出世が気にならない人はいないと思います。しかし、会社全体を強くすることを考えると、優秀な部下を輩出することは大切なことです。優秀な人間をたくさん育てれば、それはいつの日か自分に返ってきます。
自分だけと考えずに、もっと大きく考えることです。
自分の子供であれば、自分を超えていくことには、文句を言う人は先ずいません。部下から抜かれるのはイヤ、子供であればOKというのは、志が小さすぎやしませんか。
締め
どうせリーダーになるなら器の大きいリーダーになれ。
小さなリーダーになることも大きなリーダーになることも志次第。
リーダーシップを身に付けるのにかかる時間は同じ。
どうやってそういうリーダーになるのかは、追って説明していきます。
右脳的リーダーシップと左脳的リーダーシップのリスト
左脳的と思われるリーダーシップと右脳的なリーダーシップに関する要件をここに列挙してみます。
すべての項目がきちんと分類できるとは言いませんが、どのようなことを私が言いたいのかはこの区分から想像していただけると思います。
大きく言うと、性格に近いものや考え方・姿勢に関するもの、即ち人間力が右脳能力であり、スキルや知識という知力を左脳能力と呼んでみます。
ただ、このリストを全部備えている人などいないでしょうし、何もこのようにならないとリーダーシップが発揮できないというものでもありません。私もこれを自分でリストしながら、自分のできないとことをたくさん感じて反省しています。
これらの要素で、右脳的な要素が多い人も、左脳的な要素が中心の人でも立派なリーダーになれます。
大事なのは、右脳的要素と左脳的要素のどちらに自分が優れていて、その中でもなにが得意でなにが苦手かを認識することです。
そして、自分の得意分野の反対側の能力をつけると、バランスのとれたリーダーとなれます。
(右脳リーダーシップリスト)
【性格的なもの】
□ 笑顔がいい
□ 明るい
□ ユーモアがある
□ 気持ちがよい
□ 心が温かい
□ 懐が深い
【考え方や姿勢に関するもの】
□ 一貫性がありぶれない
□ 言葉に責任を持っている
□ 素直に自分の責任を認める
□ 前向きに考える
□ 知ったかぶりせず、自分をさらけだすことができる
□ 自分の失敗談をよくする
□ いばらない
□ 心配り・気配りができる。
(左脳リーダーシップリスト)
【能力】
□ 方針決定が上手
□ 計画立案がうまい
□ 理解能力・説明能力が高い
□ 分析力が高い
□ 判断力・決断力に優れている
□ 論理的である
□ 組織としての動きが上手
□ 問題解決など手段が的確
□ 専門性・仕事のスキルが高い
□ 数字に強い
□ スケジューリングができる
□ 優先順位が分っている
□ 標準化・仕組み作りが上手い
□ 指導・指示・命令が明確
締め
○ さて、あなたは、右脳型でしょうか、左脳型でしょうか。
自分を見つめましょう。
○ 周りのリーダーをよく観察してください。
右脳型リーダーも、左脳型リーダーも発見できると思います。
あの人について行きたいという立派なリーダーは、両方を兼ね備えていて、バランスが取れていることがお分かりになると思います。
(明日に続く)