佐藤一斎(江戸後期の儒学者)に学ぶ(5)

「今人おおむね多忙を説く。そのなすところをみるに、
実事(じつじ)を整頓するの十に一二。
閑事(かんじ)を料理するもの十に八九。
また閑事を認めてもって実事となす」(言志録31)

(現代語訳)
今時の人は、忙しいと連発する。よく観察すると、
実際に必要なことをしている人は10人中1人か2人。
つまらぬことに時間を費やしている人が8人も9人もいる。
そんなつまらぬことして、大事な仕事としていると勘違いしている。

(コメント)
念のため、これは江戸時代に書かれたもの。
現代人の多くは、昔の人は暇だったと勘違いしているが、
実は昔から一日にやることはたくさんあった。

ただ、一日中なにかをずっとやっていても、
その中身が問題である。これは江戸時代も現代も同じ。

つまらぬことに時間を取られて、「忙しい」と
連発する人は現代でもたくさんいる。

「忙しい」とは、優秀な人は口には出さず、
できない人が発する言葉である。

優秀な人は大事なことをしっかりこなしているから、
忙しいと他人に言う必要がない。

できない人は、「いったい何をしていたんだ」と
言われるのが怖くて、できないことを他人に
知られたくないから「忙しい」と言う必要がある。

「忙しい」と発することがない自分でありたいものである。

古雀

佐藤一斎像(岐阜県恵那市岩村)

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