おしらせ

なお、現在はフェイスブック古川裕倫(https://www.facebook.com/FurukawaHironori)とフェイスブック世田谷ビジネス塾(https://www.facebook.com/groups/setagaya.biz.juku/)に近況などの書き込みを行っております。

ちなみに現在ゴルフも休止中です。早や10年になりますが、また復活するかも知れません。なんでもやりたがりなのですが、どれも中途半端になるのがいけません。

先人、吉田兼好いわく「何方(いずかた)をも捨てじと心に取り持ちては、一事も成るべからず」。

うどん屋に龍馬の写真を見つけたり(3完)

うどん屋に龍馬の写真見つけたり(3/完)
-「屋台」のオヤジに生き方を教わった-

オヤジは兵庫県出身だが、一時高知に住んで、その後
大阪に出てきたという。なるほど、龍馬に詳しいわけだ。
 
「お客さん、高知の結婚式に招待された人が酒で
ヘベレケになるのがええか、それとも、わきまえて
呑むのがええか、どっちか知ってまっか?」

「そらあ、適度に呑むのがいいのでは?」と言ったら、
「あっちでは、しっかり呑むんです。そうでないとあかん
のです。祝い酒が呑めんような男はあかんのです」。

なるほど『竜馬がゆく』(司馬遼太郎、文春文庫)に、
国境の山中まで来た長州藩の高杉新作に竜馬と
同僚が酒樽を担いで会いにいく場面がある。
また、土佐藩主山内容堂は、水鯨公(すいげいこう)と
呼ばれたように鯨のように酒を呑んだらしい。

「高知には、下に穴があいているお猪口(ちょこ)が
あるんです」とオヤジは言った。「穴を押さえながら
返杯を繰り返すんです。これだとお猪口を置く暇が
ないので、たくさん飲まずにおられない」

私は、最近よく深酒をしてしまう。
節制しなければいけないのだが、
仲間がいると嬉しくてついピッチがあがる。
そのうちに、水鯨公はつねに酔っ払っていたとか、
「坂の上の雲」の主人公の秋山好古は戦場でも
いつも呑んでいたこと引き合いに出して、自分の
勝手な言い訳にしてしまう。

さて、目の前のカップ酒が4杯目のころ、オヤジは、
身の上話に交えて、こういうことを言った。

「恥を捨て、欲を捨て、見栄をすてれば、
誰でも食べていける」

ウーン!我々は恥をかかないように自己防衛をして、
実力以上に欲深く、いつも格好をつけようとしている。
せっかく他人や仕事がこちらに向かってきているのに、
自らそれらに高い壁を作ってしまう。他人に対しても、
部下に対しても。たしかにオヤジの言うとおりだ。

次にオヤジはこう来た。
「ゆっくり行くのもええもんや。
鈍行の車窓から見える景色も美しい」。
映画のセリフのようだった。
 
私も含めて、そういうことを考えたこともない人が
たくさんいるのではないだろうか。サッサと
目標地点に到達したいとごく普通に考えている。

それを全部実践できる自身はないが、ときどき
スローダウンしたり、立ち止まって後ろを
振り返ってみたい。

また、たいそう私が気に入っている群馬県の温泉には、
今度は、鈍行で行ってみようと思った。そもそも、
リラックスしに行くのであるから、上越新幹線なんか
乗らなくてもいい。

「そんなに急いでどこに行く?」という言葉が昔
流行ったことがあるが、自分の歳と相談すると、
ゆっくり行くのもよいのかと思う。

スローライフなどの本はなかなか読む気に
ならないのだが、目の前のオヤジがいい笑顔で
楽しそうに言うから説得力がある。

「恥も」「欲も」「見栄も」なく、がむしゃらに働き、
これまで走り続けてきた。そういう姿勢と実績が
あるから、今「鈍行」に乗り換えてもいいのだ。
そう私は解釈した。

壁の龍馬の写真をもう一度見た。
龍馬は一事を成し遂げるために急いで生きた。
たった33歳で絶命したのがたいへん気の毒だ。

西郷隆盛は、龍馬をこう評した。
「金も名誉も要らない。そして、命も要らないという
人間はどうしようもない」。

どうしようもないとは、どうしようもないほど愛しく、
どうしようもないほど立派だと言う意味である。

いい話を聞かせてくれた「屋台」のオヤジに感謝
である。そのきっかけになってくれた龍馬にも
お礼を言いたい。それと、目の前の5個の殻の
酒カップにも最敬礼!

(おまけ)

(その1)
店を出るときにオヤジから名刺をくださいと言われて
差し上げた。こちらも「おやっさん、お名前は?」と
聞いてみた。「坂本です」という返事だったらビックリ
なのだが、違う名前だった。夢でなくてよかった。

(その2)
日経BPNetで連載してきた「『竜馬がゆく」から学ぶ
ビジネスの要諦』の最終回がアップされた。
もし、ご興味があれば、お読みいただきたい。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100803/239954/

(完)

うどん屋に龍馬の写真を見つけたり(2)

うどん屋に龍馬の写真見つけたり(2)
ーオヤジが教えてくれた龍馬の糸ー

よく見ると、その店の反対側の壁に龍馬が右手を
懐にいれた有名な写真も貼ってある。雑誌から
切り抜いたような風景画のとなりに
たいへん不自然に、である。

ヘンコのオヤジがとくとくと話だした。
「龍馬の横の糸はすごいでんな~。
縦の糸も持ってますけどな~」

横の糸とは、中岡慎太郎(陸援隊、龍馬と一緒に
刺殺された)などの土佐藩の人間との連携や
高杉新作・桂小五郎、西郷隆盛などの他藩の
人間関係を言っている。
私はよく知らなかったのだが、ジョン万次郎とも
龍馬は交流が深かったとの説明であった。

今風にいうと、横とは同期や社外の人間関係である。
ちなみに、縦とは、会社と自分であるとか、
上司と自分の関係を言う。
 
33歳で亡くなった龍馬が、大事を成した。
犬猿の仲であった薩長を同盟させ、
武力で倒幕しようとする薩長の行動を幕府に
大政奉還させることで、内乱を回避した。

土佐の下級武士でありながら、短い期間に、
幕府の要人や雄藩の偉い人にたくさん会っている。

私は、龍馬には、大きな志、高い人間力、
並外れた行動力が備わっていたと思うが、
オヤジが言うとおり、横の糸と縦の糸を持って
いたのだろう。
糸とオヤジは言うが、太い太い糸に違いない。

武市半平太や岩崎弥太郎は、龍馬とは別の道をゆくが、
龍馬は大きな人間力でこれらを愛した。
時の重罪である脱藩を2回もやっているが、
最後には土佐藩主山内容堂を説得して、徳川幕府に
大政奉還をすべく建白書を出させた。
身分は違えども縦の糸もしっかり持っていたのである。

自分の友人を見てときどき思うことがある。
特に大きな会社に勤めている人は、社内の人間だけで
自己完結してしまうことがある。朝一緒に働き、
昼飯を一緒に食べ、午後も一緒に働き、
夜も社内の人間と飲む。場合によって、
週末は、会社の仲間とゴルフをする。
ほとんど縦の糸ばかりだ。
横の糸でも社外にまでは伸びていない。

50代になって感じるのは、どれだけ自分と
利害関係のない友人、つまり会社を超えた
友達を持っているかである。

話を戻すとオヤジは龍馬の横と縦の糸を
教えてくれた、
カップ酒は、3杯目が終わっていた。
(つづく)

うどん屋に龍馬の写真を見つけたり(1)

私は、日経BPネットのビズカレッジで、
「竜馬に学ぶビジネスの要諦」を連載しているが、
その番外編としてきままな思いをここに
掲載させて頂く。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100803/239954/

■うどん屋に龍馬の写真を見つけたり

前に知り合いに一度だけ連れていってもらった
「屋台」という名前のお店に先日一人で
フラッと立ち寄った。

その名のとおり、10年ほど前は屋台ラーメンを
やっていたオヤジが、今は商店街のはずれの
2階での店でうどん屋をやっている。
従業員はオヤジだけ。味はいいらしい。

そのほかの特徴といえば、オヤジが「ヘンコ」
(大阪弁で偏屈のことを意味する)であることと、
酒は飲みたい人が自分で冷蔵庫から出して
こなければいけない。

営業時間は、夜8時から朝5時で、飲み屋帰りの
客や、ほかの飲み屋従業員が閉店後やって来るのが
中心らしい。壁に貼ってあるメニューというか、
ぬくもりのある手書きの紙を見ると、うどんが中心で、
酒のつまみはほとんどない。例外なのか、
厚焼きはあった。

前は、知り合いとしっかり飲んだ後、
小腹がへったのをうどんで満たしに行った。
糖尿病の気がある自分にはご法度であるが、
「食べてはいかん」と思うと無性に
食べたくなる禁断の果実というヤツだ。

今回は、9時過ぎだったと思うが、
別の席で飲んできたので、一杯だけ
(と言ってもよく違った展開になるのだが)、
飲もうと思って入った。

予想通りすいていた。入店したときに
一人別のお客さんがいたが、私がトイレから
戻ったらもういなくなっていた。

難しいオヤジだと聞いていたので、
カウンター越しにいるオヤジを気にせずに
冷蔵庫から出したカップ酒をグイと飲んでいたら、
壁にいろんな写真が貼ってあるのが目に入ってきた。
絵もある。

自分がもたれかかっていた壁にどこかで見たような
写真が3枚あった。オヤジに話しかける気は
なかったのだが、見た瞬間に
「これ、龍馬脱藩の道ですか?」と口走っていた。

「エエッ!。(間)そうでんねん。
うちの店にあった龍馬の雑誌をお客さんに見せたら、
そのお客さん、わざわざ高知までいって雑誌と
同じアングルで写真を撮ってきて、
店に持ってきてくれたんです」

この話が、一杯の酒では終わらず、
長々とその店にいてしまったきっかけであった。

「龍馬脱藩の道」ではなく、
「酔っ払い脱線の道」となってしまった。

「竜馬から学ぶビジネスの要諦」の連載中なので、
なぜここに龍馬が貼ってあるのか、
興味津々であった。(つづく)

「会社員の作法」(新社会人入門講座)

「会社員の作法」

前にご紹介したが、今日経BPネットに連載している。
新社会人入門講座「古川ひろのりの会社員の作法」という新入社員向けの講座。

エピソードもご紹介しなければと思い、自分の新人時代のことを思い浮かべながら書いている。
叱られ、バカヤローと言われた日々であった。
でもいい思い出だ。先輩に大感謝だ。

私の新人時代といえは、今から33年も前。ちょうど1世紀の3分の1と考えると恐ろしい。
今の人からは信じられないだろうが、当時は携帯電話もパソコンもなかった時代だ。

時代の変化に伴って技術の進歩があり市場の変化もある。
ところが、この講座を担当して強く感じるのは、
ビジネスの基礎も本質もまったく変わっていない。
携帯電話やパソコンがなくてもちゃんとビジネスはやっていた。

ところで、大勢の知り合いから本講座のことに関してメールを頂いた。
「新入社員の時代はとっくの昔だが読んでいる」
「読んでみて、反省することがある」
「若手にも読ませている」など。

なるほど。そういえば、偉そうに書いている私自身反省することがある。
こうあるべきだとは知ってはいても、自分ができていない。

例えば、今週は「信頼される電話のとり方」というテーマであり、
「もしもし」と言う代わりに「お待たせしました」と(待たせていなくても)
言うのはワンランク上のスキルであると自分が書いた。

振り返ると、私も固定電話に出るときは間違いなくそうしているが、
今携帯電話に出るときは「はい、古川です」としか言っていない。
仕事の電話のほとんどが携帯に来るのに、である。
そんなことにも気がつく、よい機会であると感謝している。

お手隙のときに、一度ご覧頂きたい。
若手に紹介して頂ければ、なお嬉しい。

因みにこれまでの「会社員の作法」の連載は次の通り。
     第1回 社会人の基本、さわやかに挨拶をしよう
     第2回 学びは、自分を高めるための第一歩
     第3回 仕事、人、書物の「学びの3原則」
     第4回 信頼される電話のとり方

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