グローバリゼーションとダイバーシティ
幕末に日本近海に現れ開国を要求した黒船。蒸気機関で進む鉄板の船に「大砲」を搭載している。「農業国家」から、産業革命で、「工業国家」に姿を変えた西欧。生産性が高まり、結果繊維製品などの売り先を求めて世界に繰り出した。そしてはるばる日本にまでやってきた。
グローバリゼーションとダイバーシティ
幕末に日本近海に現れ開国を要求した黒船。蒸気機関で進む鉄板の船に「大砲」を搭載している。「農業国家」から、産業革命で、「工業国家」に姿を変えた西欧。生産性が高まり、結果繊維製品などの売り先を求めて世界に繰り出した。そしてはるばる日本にまでやってきた。
「日本はずっと昔から男性が外で働き、女性は家庭を守ってきた」
という思い込みから脱却しよう。
思い込みとは怖い。それが当たり前のように言われ、次々と伝播していく。
女性活躍推進の議論になると「日本では、昔から女性は家庭を守ってきて、
外では働いていない」というのが出てくる。「昔から」とは一体いつの頃
からだろう。
「わが社の女性はやる気がないのか」、それとも「男性上司が不勉強なのか」
~「できないかも症候群」の理解の重要性~
(今日はストーリー風に)
若手を積極的に抜擢登用しようとしている会社幹部佐々木基之常務が、2人の部下に別々に話をしている。
佐々木常務は、まず黒田道子課長に尋ねた。黒田通子は、総合職入社で、12年間本部や営業の仕事をしてきて、大変優秀と言われている女性である。
「佐々木君、新しいこのプロジェクトの責任者をやってみないか。当社として大切な案件であり、優秀な君に任せたいんだが。」
通子は、考え込んだ末、下向きかげんにこう答える。
「大変光栄です。。。。アノー、しかし、やり遂げられるか自信がありません。。。」
「うーん、そうか。わかった」
と、会話が終わった。
少子化が進む我が国でどんな会社が勝ち残るであろうか?
【今日の結論】
今後、「働きやすさ」と「高い生産性」の両方を持ち合わせる企業が勝ち残っていくだろう。
【理由・考察】
(1)進む少子化で、企業が新人採用にますます苦労するのは明白である。
採用にもイノベーションが必要となる。
(2)残業の多い企業はブラック企業などと騒がれ、昨今働き方や労働環境が注目されている。
「猪突猛進、残業をいとわず」という昭和風価値観では、人は集めにくい。
(3)ただ、従業員に優しいだけでは、ダメ。生産性が低いと企業成長も少なく、
またボーナスなどインセンティブの原資も確保しづらい。
(4)高い生産性を維持するにはたゆまぬイノベーションが必要であり、
変化できない会社は淘汰されていくだろう。
(5)国内市場は、人口減少(雑駁にいうと30年ー40年で3割減)
とともに縮小するので、グローバル展開できる企業が生き残る。
国内事業だけでは、一律3割売上・利益がダウンするか、
もしくは、全体の3割の会社が消えてなくなる。
(6)多様な人材が必要になり、ダイバーシティ特に女性活躍を
推進する企業が有望であろう。
それには、やはり「働きやすさ」が必須となる。
もちろん、結果を出すことも必要。
(7)男だらけで残業が当たり前と言われてきたIT会社でも、
SCSK(元住友商事の情報会社)が「働きやすさ」と「高い成長率」
を誇るロールモデルとなっている。
食品業界でも、カルビーはダイバーシティが進み、成長率が非常に高い。
(8)以下について各企業はどう対処していくのか、お手並みを拝見したい。
前回のメルマガにもご紹介したとおり、女性活躍推進法成立により、
来年4月1日までに、301人以上の従業員がいる企業は、
女性活躍の目標設定と行動計画の策定・役所への届け出・社外への公表
が義務づけられた。
301人以上の会社は日本に15,000社あるといわれている。
(セミナー情報以下にあり)
結果、企業ごとの女性活躍推進の状況が「見える化」され、
企業外から評価を受けるようになる。
顧客は企業イメージとして捉え、就活生は従業員を
大切にする会社かどうかを見極める指標としうる。
さて、「総論賛成、各論風まかせ」としている会社が、
その方針をどこまで貫くか、対応に興味津々である。
これまで手を付けてこなかった会社の一部でも女性活躍推進を
積極的に始めることになれば、女性労働力の逼迫に拍車がかかる可能性が高い。